Dify、n8n、Makeを比較:違いと用途別の選び方、n8nが候補から外れる理由

blue and white miniature toy robot
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Dify、n8n、Makeは、いずれも画面上で処理の流れを組み立てられます。しかし、同じ種類の製品ではありません。Difyは生成AIアプリの設計と運用、n8nとMakeは複数のサービスをつなぐ業務フローの自動化を主な出発点としています。

したがって、製品名を横並びにして機能数だけを比べても、選定の答えは出ません。最初に「生成AIの回答品質を管理したいのか」「既存サービス間の作業を減らしたいのか」「自社環境で運用したいのか」を分ける必要があります。

先に結論

  • 社内検索や質問応答など、生成AIを中心にしたアプリを作るならDifyが候補になります。
  • SaaSやAPIを柔軟につなぎ、自社環境での運用も検討するならn8nが候補になります。
  • 視覚的な操作でSaaS連携を素早く試し、現場で保守したいならMakeが候補になります。
  • n8nが比較表にない場合は、性能差と決めつけず、比較対象が「生成AIアプリ」または「マネージドSaaS」に限定されていないかを確認します。

比較前に押さえたい用語

ワークフロー自動化とは、ある出来事をきっかけに、データ取得、条件分岐、更新、通知といった処理を順番に実行する仕組みです。たとえば、問い合わせフォームを受信したら顧客管理システムへ登録し、担当者へ通知する流れが該当します。

RAGは、質問に関係する文書を検索し、その内容を材料に生成AIが回答する構成です。モデルに社内文書を丸ごと覚えさせる方法ではありません。検索と回答生成の関係は、ベクトル検索と生成AI検索の違いで詳しく説明しています。

セルフホストとは、提供会社のクラウドだけに任せず、自社が用意したサーバーやクラウド環境でソフトウェアを動かす形です。データの保存場所を選びやすくなる一方、更新、監視、バックアップ、脆弱性対応は自社側の仕事になります。

Dify、n8n、Makeの違いを一覧で比較

Dify、n8n、Makeの主な比較軸
比較軸 Dify n8n Make
主な役割 生成AIアプリ、RAG、エージェント型ワークフローの構築 システムやSaaSをつなぐ汎用ワークフロー自動化 視覚的な操作を中心にしたSaaSワークフロー自動化
提供形態 クラウド、Community版の自己配備、企業向けのプライベート配備 クラウド、Community版を含むセルフホスト、企業向けプラン ホステッドサービス。企業向けにはローカルネットワークへ接続する選択肢も掲載
設計の中心 モデル呼び出し、知識検索、評価、人の確認、公開方法 トリガー、分岐、コード、API、再試行、データ変換 シナリオ、アプリ連携、ルーター、フィルター、実行履歴
料金を考える単位 プランの利用枠に加え、使うモデルや配備方法に応じた費用 クラウドと有料セルフホストでは主にワークフロー実行回数 シナリオ内の処理が消費するクレジット
向いている場面 社内検索、質問応答、文章分類、生成AI機能を備えた業務アプリ 複雑な分岐、API連携、自社環境とクラウドの連携 SaaS中心の定型業務、現場主導の小規模な検証
導入前の注意 回答品質、モデル費、知識データの更新方法を別々に検証する 運用体制とライセンスの利用範囲を確認する 処理件数とモジュール数からクレジット消費を見積もる

この表は製品の優劣ではなく、設計の出発点を示しています。機能は重なっており、Difyにも外部連携や分岐があり、n8nとMakeにも生成AI関連の機能があります。

各製品が得意とする仕事

Difyは生成AIアプリの品質管理まで組み立てやすい

Difyは、モデル呼び出し、知識検索、条件分岐、ツール、コード、人による確認を一つの視覚的な流れとして設計できます。実行経路や各ノードの出力を確認し、WebアプリやAPIとして公開できる点も、生成AIアプリを作る用途と合います。提供形態と現在の利用枠は、DifyのWorkflow Studioと公式料金ページで確認できます。

ただし、画面上でフローを作れることは、回答の正確さを保証するものではありません。社内文書を使う場合は、検索結果が質問に合っているか、古い文書を参照していないか、回答に根拠を示せるかをテストします。画像から情報を取り込む例は、DifyでOCRを活用する手順も参考になります。

n8nは複雑な連携と自社運用の選択肢を持つ

n8nは、Webhookやスケジュールを起点に、API呼び出し、条件分岐、データ変換、コード実行を組み合わせるワークフロー自動化基盤です。自社のネットワーク内にあるデータベースとクラウドサービスをつなぐなど、接続条件が複雑な業務で候補になります。クラウド版もあるため、「n8nはセルフホスト専用」という理解は正確ではありません。

n8nのソースコードは公開されていますが、公式はOSI準拠のオープンソースとは呼ばず、Sustainable Use Licenseに基づくfair-codeと説明しています。自社の内部業務で使う例は許可対象として示される一方、n8nをホストして顧客へ有料提供する用途などには制限があります。導入形態ごとの機能と課金はn8nの公式料金ページ、利用範囲はSustainable Use Licenseの説明で確認します。個別の契約判断が必要な場合は、公式窓口または法務担当へ確認してください。

Makeは処理の流れを視覚的に共有しやすい

Makeでは、アプリの処理をモジュールとしてキャンバス上に並べ、ルーターやフィルターで分岐を作ります。各処理の入出力を画面で追いやすいため、非開発部門と一緒に小さな業務フローを試す場面に向いています。

現在のMakeはクレジットを課金単位としており、多くの通常処理では一つの操作が一クレジットに対応します。ただし、生成AI関連など一部の機能は、トークン数や処理内容に応じて消費量が変わります。「一回のシナリオ実行で一クレジット」とは限りません。最新の条件はMakeの公式料金ページとクレジットの説明で確認します。

料金は月額ではなく処理量から見積もる

料金表の最安プランだけを比べると、実運用の費用を読み違えます。三製品は、費用が増える単位が異なるからです。次の順序で一か月分を見積もります。

  1. 業務が始まる回数を数える。
  2. 一回につき処理するデータ件数を数える。
  3. 分岐後に動くAPI、モジュール、モデル呼び出しを数える。
  4. 失敗時の再実行と、実行履歴を保存する期間を加える。
  5. セルフホストでは、サーバー費だけでなく更新、監視、バックアップの担当時間も加える。

たとえば、受注を受け取って顧客情報を照合し、会計システムを更新して担当者へ通知する流れを考えます。n8nではワークフロー全体の実行回数が主な課金軸です。Makeでは、照合、更新、通知など、実際に動いたモジュールごとにクレジットが消費されます。Difyで生成AIによる分類を加える場合は、Dify側の利用枠とモデル利用量も分けて見ます。外部サービス自体の利用料は、どの製品でも別に発生し得ます。

セルフホストだけでは情報管理は完成しない

「自社環境に置けば安全」という結論にはなりません。保存場所を選べても、認証情報の保管、権限設定、更新作業、ログ閲覧者、障害対応が曖昧なら別のリスクが残ります。クラウド版でもセルフホストでも、次の項目を同じ表で確認します。

  • データ:入力、出力、実行ログ、バックアップがどこに保存されるか。
  • 認証情報:API認証情報を誰が登録し、更新し、失効できるか。
  • 権限:作成、公開、実行履歴の閲覧を役割ごとに分けられるか。
  • 失敗時の動作:再試行で二重登録が起きないか、人の確認へ切り替えられるか。
  • 保守責任:製品更新、脆弱性対応、監視、復旧を誰が担当するか。
  • 契約:保存地域、委託先、サポート、利用上限、ライセンスが要件に合うか。

用途別に選ぶと候補が見えやすい

社内文書の検索と質問応答

回答の中心が社内文書なら、RAG、回答評価、知識データの更新をまとめて設計しやすいDifyが第一候補になります。n8nやMakeは、文書の収集、承認依頼、回答後のチケット登録など、前後の処理を担当させる構成が考えられます。

顧客管理、表計算、メールの同期

決められたデータをサービス間で移す仕事なら、n8nまたはMakeから検討します。処理の見やすさと導入速度を優先するならMake、複雑な条件分岐やコード、自社環境との接続を重視するならn8nが比較の起点です。

基幹システムを含む受注処理

社内ネットワーク、データベース、複数の例外処理を含む場合は、接続方法と保守担当を先に決めます。自社で実行環境を管理できるならn8nのセルフホストが候補です。Makeを使う場合も、企業向けに掲載されているローカル接続の方法と契約条件を確認します。生成AIで判断を補助するなら、誤分類時に人へ戻す経路を必ず設けます。

生成AI機能を備えた業務アプリ

Difyで回答生成や知識検索を設計し、n8nまたはMakeで周辺システムをつなぐ構成も可能です。ただし、最初から三製品を併用すると、障害箇所と費用の把握が難しくなります。境界を分ける明確な理由があるときだけ組み合わせます。AIミニアプリまで選択肢を広げる場合は、n8n、Dify、Google Opalの比較も参照してください。

n8nが比較から外れる四つの理由

n8nが候補にないことは、n8nの性能が低いことを意味しません。比較表を作った人が、次のいずれかの前提を置いている可能性があります。

  1. 比較対象が生成AIアプリ基盤に限られている
    RAGや回答評価を中心に比べると、汎用ワークフロー自動化から始まったn8nは主役にならない場合があります。ただし、n8nにも生成AI関連機能があるため、要件に合えば除外する理由にはなりません。
  2. マネージドSaaSだけを短期間で導入したい
    セルフホストの運用負担を避ける方針では、Makeが先に検討されやすくなります。しかし、n8nにもクラウド版があるため、提供形態だけで機械的に外すのは早計です。
  3. ライセンス確認を選定条件に入れている
    n8nのCommunity版は、一般的なオープンソースライセンスと同じではありません。顧客向け提供や組み込みを予定する企業では、利用範囲の確認が選定工程に加わります。
  4. 運用担当者の経験に合わせている
    既存のテンプレート、教育資料、問い合わせ先がそろっている製品は、導入時の負担を下げます。これは製品の絶対的な優劣ではなく、組織の準備状況による判断です。

比較表にない理由を確認するときは、「対象業務」「提供形態」「ライセンス」「運用担当」の四点を質問すれば、前提の違いを切り分けられます。

失敗しにくい選定手順

  1. 一つの業務を選ぶ
    「全社の効率化」ではなく、「問い合わせを受けて担当者へ割り当てる」程度まで範囲を狭めます。
  2. 外せない条件を先に書く
    保存場所、セルフホストの要否、利用者数、承認、監査、復旧時間、契約条件を整理します。
  3. 同じ入力と出力で試す
    候補ごとに別の題材を使うと比較できません。同じサンプルデータと例外条件で小規模な検証を行います。
  4. 正常系より失敗を試す
    API停止、データ欠損、重複送信、権限不足、生成AIの誤回答を起こし、復旧手順を確認します。
  5. 一か月の総コストを出す
    プラン料金、モデルや外部API、サーバー、監視、保守担当者の時間を同じ表に入れます。
  6. 運用責任者を決める
    公開権限、変更レビュー、障害通知、認証情報の更新を担当者へ割り当てます。

小規模検証で記録する指標

検証は「動いたか」だけで終えず、本番運用に直結する指標を残します。

  • 一件あたりの処理時間と、月間の想定処理件数
  • 成功率と、失敗から復旧するまでの手順
  • 二重登録や取りこぼしの件数
  • 一件あたりのクレジット、実行回数、モデル利用量
  • 新しい担当者が変更できるようになるまでの学習時間
  • 権限変更、監査、ログ確認に必要な作業時間

この記録があれば、月額の安さだけでなく、変更しやすさと事故対応まで含めて判断できます。

よくある質問

三製品を一つに絞るべきですか

最初の検証は一製品に絞る方が、費用と障害箇所を把握しやすくなります。複数製品を組み合わせるのは、生成AI部分とシステム連携部分など、責任の境界を明確に分けられる場合です。

n8nのセルフホストは無料で商用利用できますか

公式説明では、自社の内部業務での利用例はSustainable Use Licenseの許可対象として示されています。一方、n8nを顧客向けにホストして有料提供する用途などには制限があります。この記事は個別案件の法的判断を示すものではないため、具体的な提供方法がある場合は最新のライセンス本文と公式窓口で確認してください。

最も安い製品はどれですか

処理の形によって変わります。ワークフロー全体の実行回数、各モジュールの処理回数、生成AIの利用量、セルフホストの保守時間を同じ一か月で試算しなければ比較できません。

ノーコードなら運用も簡単ですか

フローを作り始める負担は下げられますが、認証情報、例外処理、権限、監視、変更管理は残ります。画面操作の簡単さと、本番運用の簡単さを分けて評価してください。

結論

Dify、n8n、Makeは、一つの順位に並べるより、中心となる仕事で分けると選びやすくなります。生成AIアプリの設計と評価はDify、柔軟なシステム連携と自社運用はn8n、視覚的なSaaS連携はMakeが比較の起点です。

ただし、最終判断は製品の紹介文ではなく、同じ業務を使った検証で行います。保存場所、失敗時の復旧、月間処理量、保守担当を先に決めれば、n8nが候補にない理由も、三製品を組み合わせる必要があるかも説明できます。

参考資料

製品の機能、料金、利用条件は変更されます。導入時には各公式ページの最新情報を確認してください。

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業務自動化は、製品名から入るより、業務フローと運用責任を先に定めると失敗を減らせます。株式会社greedenは、生成AIを用いた施策について、ツール選定から業務フロー改善、システム実装、定着まで伴走します。

投稿者 greeden

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