WCAG 2.2「1.2.9 音声のみ(ライブ)」とは?Level AAAの対応方法と確認項目

silver dynamic microphone on black microphone stand
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WCAG 2.2の達成基準「1.2.9 音声のみ(ライブ)」は、ライブで配信される音声の内容を、音声を聞かなくても理解できる形で提供するための基準です。

聴覚に障害がある人だけでなく、周囲が騒がしい場所や音を出せない環境にいる人にも、文字による代替手段が役立ちます。

対応方法は、音声プレイヤーの近くに文章を置くだけとは限りません。

配信内容が事前に決まっているか、放送中に発言や質問が変わるかを確認し、事前原稿とリアルタイム文字化を使い分けます。

「音声のみ(ライブ)」が対象とする配信

ライブ音声コンテンツとは、リアルタイムで配信され、情報の中心が音声にあるコンテンツです。

この記事では、映像を伴わない次のような配信を想定します。

  • インターネットラジオなどの音声放送
  • ライブ配信されるポッドキャスト
  • オンライン会議や講義で配信されるスピーチ音声

録音済みの音声ではなく、配信中に内容が進んでいく点が実装上の難しさです。

配信前に文章を用意できる場合と、実際の発言をその場で文字にする必要がある場合では、準備する仕組みが異なります。

テキスト代替で伝える内容

テキスト代替は、ライブ音声で伝えている内容を文字で受け取れるようにする手段です。

単に「放送中」と表示するのではなく、話している内容や理解に必要な情報を文字でも追える状態を目指します。

音声と文字の内容が大きく異なると、文字を利用する人だけが情報を受け取れないためです。

対応方法は、配信の進み方に合わせて選びます。

ライブ音声に対するテキスト提供方法の使い分け
方法 向いている配信 確認したい点
事前原稿を公開する スピーチや講義など、話す内容があらかじめ決まっている配信 実際の発言と原稿に大きな違いがないか
リアルタイムで文字化する 質疑応答や予定外の発言を含み、内容が配信中に変わる放送 音声の進行と表示のタイミング、文字の読みやすさ
専門サービスを利用する 規模が大きいイベントや、内容の正確さを慎重に扱いたい放送 配信方法との連携と、表示内容の確認体制

事前原稿を提供する方法

スピーチや講義の原稿が用意されている場合は、音声プレイヤーの近くから読めるようにします。

同じページに掲載する方法と、別ページへのリンクを設置する方法があります。

別ページにする場合は、リンク先が放送内容の文章だと分かるアンカーテキストを付けます。

<audio controls>
  <source src="live-audio.mp3" type="audio/mpeg">
  このブラウザでは音声を再生できません。
</audio>

<p>
  <a href="prepared-script.html">ライブ放送の原稿を読む</a>
</p>

このHTMLは、音声と原稿への導線を近くに置くための例です。

原稿そのものがライブ音声を自動で文字化するわけではありません。

配信中に原稿と異なる発言が加わる場合は、その差を文字でも伝えられる方法を併用する必要があります。

リアルタイム文字化を提供する方法

リアルタイム文字化は、ライブ音声の進行に合わせて発言を文字で表示する方法です。

手作業で入力する方法、自動音声認識を利用する方法、専門のライブキャプションサービスを利用する方法があります。

元記事にあった固定時刻のJavaScript例は、実際の音声を認識しておらず、ライブ文字化の実装例として誤解を招くため掲載していません。

実際の構成では、文字を作る仕組みと、その文字をウェブページへ届けて表示する仕組みを用意します。

自動音声認識を使う場合も、表示された文字が常に正しいと決めつけず、配信内容とタイミングを確認できる運用を組み合わせます。

音声や動画を含むコンテンツ全体の設計は、関連記事「音声や動画コンテンツのアクセシビリティ実践ガイド」でも確認できます。

実装と運用の手順

  1. 対象となる音声を整理する
    放送の種類、配信時間、事前原稿の有無、質疑応答など予定外の発言があるかを確認します。
  2. 文字の提供方法を決める
    事前原稿で内容を伝えられるか、リアルタイム文字化が必要かを判断します。
  3. 音声の近くに導線を置く
    原稿へのリンクや文字表示欄を、利用者が見つけやすい位置に配置します。
  4. 読みやすい表示に整える
    文字サイズ、行間、文字色と背景色を確認し、長い文章でも追いやすくします。
  5. 実際の配信で確認する
    音声と文字の内容、表示のタイミング、原稿へのリンクを配信前後に確認します。

公開前に確認したい項目

  • 音声だけで伝えている内容を、文字でも把握できる
  • 原稿へのリンクや文字表示欄を、音声プレイヤーの近くで見つけられる
  • リンク名から、放送内容の文章を読めることが分かる
  • 事前原稿と実際の発言に違いがある場合、その差を文字でも補える
  • リアルタイム文字化が音声の進行から大きく遅れていない
  • 文字サイズ、行間、文字色と背景色が読みやすい

聴覚障害者に配慮した字幕や視覚的な情報提供を検討する際は、「聴覚障害者に配慮したウェブデザイン」も参考になります。

WCAG 2.2の中で位置付けを確認する

「1.2.9 音声のみ(ライブ)」だけを切り離して対応するより、サイト全体の情報提供や操作方法と合わせて確認すると、改善の優先順位を整理しやすくなります。

WCAG 2.2の全体像から確認したい場合は、「WCAG 2.2とWebアクセシビリティの基礎」をご覧ください。

ライブ音声への対応では、事前原稿の有無だけで判断せず、実際に配信される内容を文字でも追えるかを確認します。

原稿、リアルタイム文字化、専門サービスのうち、配信の進み方に合う方法を選び、表示と運用を一体で整えることが必要です。

当社では、ウェブアクセシビリティ対応を支援する「UUU ウェブアクセシビリティウィジェットツール」をご案内しています。

導入を検討している方は、サービスの詳細をご覧ください。

投稿者 greeden

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