群馬県でシステム開発会社を選ぶときは、会社名を先に並べるより、任せたい範囲と運用条件をそろえてから比較するほうが判断しやすくなります。
本記事では、県内に本社または主要拠点を置く5社の公開情報を整理し、要件、見積もり、契約、補助制度を確認する順序まで解説します。
最終確認日:2026年8月28日。会社情報と補助制度は変更されるため、相談や申請の前に各公式ページをご確認ください。
先に確認する3点
- 発注前に、目的、対象業務、必要な機能、運用条件、予算、希望時期を一枚に整理する。
- 候補各社には同じ資料を渡し、初期費用だけでなく、保守、データ移行、追加変更の条件まで比べる。
- 補助金は開発の前提にせず、対象経費、申請期限、交付決定前の着手制限を制度ごとに確認する。
会社比較の前に発注条件をそろえる
要件定義とは、システムで解決する業務課題と、実現すべき条件を発注者と開発会社で合意する作業です。
「在庫管理を便利にしたい」だけでは、対象拠点、利用者、既存データ、必要な帳票が決まらず、会社ごとの見積もり条件がばらつきます。
最初の相談資料には、次の項目を記載します。
| 項目 | 記載する内容 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 解決したい業務上の問題 | 二重入力を減らし、受注状況を一か所で確認したい |
| 対象範囲 | 業務、利用者、拠点、端末 | 受注から出荷まで、営業と倉庫が利用 |
| 機能要件 | システムが行う処理 | 受注登録、在庫引当、出荷指示、帳票出力 |
| 非機能要件 | 性能、可用性、セキュリティ、運用など品質に関する条件 | 利用時間、権限、バックアップ、障害時の連絡方法 |
| 制約 | 予算、時期、既存環境、社内体制 | 既存会計サービスとの連携、移行担当者の有無 |
非機能要件は、画面や機能として見えにくい一方、運用開始後の使いやすさと費用に影響します。
抜けを減らす資料として、IPAの非機能要求グレードを含む企画資料が参考になります。
スマートフォンアプリを含む案件では、当サイトのiOSアプリ開発の要件定義と設計の進め方も確認できます。
システム開発会社を選ぶ7つの基準
- 得意分野:基幹業務、自治体、製造、流通、Webサービス、組み込みなど、案件に近い分野の経験を確認します。
- 担当範囲:企画と要件定義から依頼できるのか、実装だけなのか、保守まで含むのかを分けます。
- 体制:窓口、設計者、開発者、テスト担当、保守担当の役割と、再委託の有無を確認します。
- 見積もりの説明:作業項目、前提、対象外、追加費用が発生する条件を説明できる会社を選びます。
- セキュリティ:認証の有無だけで判断せず、権限管理、ログ、脆弱性対応、事故時の連絡手順を質問します。
- 運用と引き継ぎ:保守時間、問い合わせ方法、データ返却形式、契約終了時の移行支援を確認します。
- 対面対応の必要性:現場調査や機器連携が必要なら県内拠点が役立ちます。オンラインで完結できる案件なら、所在地より専門性を優先できます。
Webシステムでは、キーボード操作、文字の読みやすさ、フォームのエラー表示なども要件に含めると、公開直前の手戻りを減らしやすくなります。
発注時の整理には、当サイトのWebアクセシビリティを発注から運用まで組み込むチェックポイントも利用できます。
群馬県のシステム開発会社5社
以下は順位ではありません。
群馬県内の拠点と公式サイトで確認できる事業領域を基準に、比較候補として整理しています。
| 会社 | 県内拠点 | 公式に掲げる主な領域 | 相談候補になりやすい案件 |
|---|---|---|---|
| 株式会社両毛システムズ | 桐生市、高崎市、太田市 | 行政、水道、製造、流通、医療、クラウド、運用 | 公共分野や複数拠点を含む業務システム |
| 株式会社ジーシーシー | 前橋市 | 自治体向けアプリケーション、IT基盤、データセンター、運用、BCP | 自治体業務や継続運用を重視する案件 |
| 株式会社高崎共同計算センター | 高崎市 | 業務システム、組み込み、クラウド、医療、検証、アウトソーシング | ソフトウェアと現場機器が関わる案件 |
| 株式会社ナブアシスト | 前橋市、高崎市 | システムインテグレーション、ネットワーク、クラウド、LCM、ヘルプデスク | 基幹システムとインフラの導入や運用をまとめたい案件 |
| システム・アルファ株式会社 | 前橋市 | 基幹業務、受託開発、Webアプリ、スマートフォンアプリ、インフラ | 業務に合わせたシステムとネットワークの整備 |
株式会社両毛システムズ
桐生市に本社を置き、高崎営業所と太田開発センターを含む拠点を公開しています。
公式サイトでは、行政、水道、製造、流通などの分野に加え、データセンター、クラウド、コンサルティング、運用保守を案内しています。
公共分野や業務領域が複数にまたがる案件では、担当部門と導入後の支援範囲を具体的に確認します。
株式会社ジーシーシー
前橋市に群馬本社を置き、地方自治体向けのアプリケーション、IT基盤、アウトソーシング、データセンター、運用保守、BCPサービスを提供しています。
自治体や公共分野の案件では、対象業務の対応実績に加え、標準化対応、移行、職員向け支援の分担を確認します。
株式会社高崎共同計算センター
高崎市に本社を置き、Web系と組み込み系の開発、医療や製造向けシステム、検証、アウトソーシングなどを掲げています。
現場機器や既存設備との連携がある場合は、ソフトウェア側と機器側の責任分界、試験環境、現地対応の条件を質問します。
株式会社ナブアシスト
前橋市の本社と高崎市のシステム技術センターを公開しています。
システム開発に加え、ネットワーク、クラウド、キッティング、ヘルプデスク、監視など運用に近いサービスも扱っています。
一括して依頼する場合でも、開発、機器調達、保守の費用と契約範囲は分けて確認します。
システム・アルファ株式会社
前橋市を拠点に、基幹業務システム、業務に合わせた受託開発、Webアプリ、スマートフォンアプリ、インフラ構築を案内しています。
販売管理や生産管理などの業務システムでは、標準機能で対応する範囲と個別開発する範囲を分けると、見積もりを比較しやすくなります。
費用は総額より見積条件を比べる
システム開発費は、機能数だけでは決まりません。
性能、セキュリティ、データ移行、外部サービス連携、テスト、教育、保守の条件が変わると、必要な作業も変わります。
各社の見積書では、次の区分をそろえて比較します。
- 企画と要件定義
- 画面、帳票、API、バッチ処理
- クラウドやネットワークなどの基盤
- データ移行と移行リハーサル
- テストと受入支援
- 操作説明と運用手順書
- 保守、監視、障害対応
- 追加変更の単価と承認手順
見積もりを比べる際は、安い項目を探すのではなく、含まれていない作業を探します。
人件費や外部サービス価格の変化を予算に反映する方法は、当サイトのデジタル開発費と見積もりの実務ガイドで解説しています。
契約で決める範囲
開発契約には請負と準委任が使われますが、名称だけで作業内容や責任範囲が決まるわけではありません。
- 請負:合意した仕事の完成を目的とする契約です。成果物、完成条件、検収方法を具体的にします。
- 準委任:合意した業務を遂行する契約です。担当業務、稼働の報告方法、成果物の扱い、意思決定者を定めます。
企画段階と開発段階で契約を分ける方法もあります。
経済産業省の情報システムのモデル取引と契約書も、工程と契約類型を検討する際の参考資料です。
少なくとも、成果物、検収、変更管理、知的財産、秘密保持、再委託、個人情報、保守、障害対応、契約終了時のデータ返却を確認します。
契約条件は案件ごとに異なるため、最終的な条文は法務担当者や弁護士に確認してください。
2026年度に確認できる補助制度
補助制度は、申請した開発費がすべて対象になる仕組みではありません。
対象者、対象事業、対象経費、発注先、申請時期が制度ごとに異なります。
| 制度 | 主な対象 | 確認事項 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 生産性向上に向けた登録ITツールの導入 | 旧IT導入補助金です。申請枠、登録ツール、締切を公式サイトで確認します。 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 省力化につながる設備導入やシステム構築 | 一般型の第8回は公募中です。申請受付時期と要件を公募要領で確認します。 |
| ぐんまDX技術革新補助金 | 県内中小企業による革新的な技術、製品、サービスの開発 | 2026年度の募集期間は終了しています。単なる既存ソフトウェア導入は対象外です。 |
| ぐんま技術革新チャレンジ補助金 | 実施市町村の中小企業による新技術や新製品の開発 | 2026年度の受付は終了し、二次募集の予定はないと案内されています。 |
| 前橋市DX推進補助金 | 市内事業者によるソフトウェアの導入や開発など | 2026年度の受付は終了しています。交付決定前に事業を始めない条件があります。 |
今年度の募集が終わっている制度でも、翌年度に同じ名称や条件で実施されるとは限りません。
次年度を待つ場合は、目的と要件の整理を先に進め、制度の公表後に計画との適合を確認します。
発注から運用開始までの進め方
- 現状業務を整理し、解決したい問題と判断指標を決める。
- 機能要件、非機能要件、データ移行、外部連携を相談資料にする。
- 案件に近い実績を持つ候補へ、同じ条件で相談する。
- 提案内容、体制、前提、対象外、保守条件を比較表にまとめる。
- 小さな試作や要件定義を先行させる必要があるか判断する。
- 契約、開発、受入テスト、移行、教育、保守引き継ぎの順で合意を残す。
初回面談では「できますか」だけでなく、「どの前提なら実現でき、何が未確定ですか」と質問します。
未確定事項を明示できる会社ほど、追加調査や変更の必要性を発注者と共有しやすくなります。
よくある質問
県内企業と県外企業はどちらを選ぶべきですか
現場調査、機器設置、対面研修、緊急時の訪問が必要なら、県内拠点は比較材料になります。
一方、特殊な技術や業界知識が必要な案件では、所在地より専門性を優先する判断もあります。
何社に見積もりを依頼すればよいですか
社数を増やす前に、同じ条件を提示できる状態を整えます。
比較できる資料を用意したうえで複数社に相談し、提案の前提がそろっているかを確認してください。
補助金の採択を待ってから開発会社を探すべきですか
制度によっては申請時に見積書や事業計画が必要です。
ただし、交付決定前の契約、発注、支払いを制限する制度があるため、相談と正式発注を分けて進めます。
開発後の保守には何が含まれますか
監視、問い合わせ、障害対応、軽微な修正、機能追加は別の作業です。
対応時間、初動までの時間、復旧目標、月額内の作業、追加費用、契約終了時の引き継ぎを保守契約に記載します。
掲載情報の更新を受け付けています
群馬県内のシステム開発会社で、所在地やサービス内容の更新を希望する場合は、掲載依頼フォームから公式情報をご連絡ください。
掲載の可否と表現は、公開情報と編集基準に基づいて確認します。
比較表を作ってから相談する
群馬県内には、公共分野、業務システム、組み込み、インフラ、運用など異なる領域を扱う開発会社があります。
自社に合う会社は、知名度や所在地だけでは決まりません。
目的、対象範囲、非機能要件、移行、保守を同じ条件で示し、提案の前提と対象外を比べることが選定の出発点です。
