WCAG 2.2「3.1.5 読解レベル」とは?Level AAAの要件と実装方法

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WCAG 2.2の「3.1.5 読解レベル」は、難しい文章の意味をより多くの読者が理解できるように、補足コンテンツまたは読みやすい別版を用意する達成基準です。

適合レベルはLevel AAAであり、文章を短くするだけでなく、専門用語や複雑な説明を読者が理解できる形に整える必要があります。

3.1.5 読解レベルが求める対応

読解レベルとは、文章を読んで意味を理解するために必要な力の程度です。

固有名詞や題名を除いても、文章の理解に低中等教育レベルを超える読解力が必要になる場合は、次のどちらかの方法で内容を理解できるようにします。

  • 補足コンテンツ:難しい本文に、平易な要約、用語の説明、図表、イラスト、シンボルなどを添えます。
  • 読みやすい別版:同じ内容を、より短い文と分かりやすい言葉で書き直した版を用意します。

この二つを一度にすべて実施するという意味ではなく、読者が内容を理解できる方法を選ぶことが出発点です。

文章を読みやすくする実装手順

伝える内容を先に整理する

まず、ページで読者に伝えたい結論、読者が取るべき行動、説明に欠かせない条件を分けます。

一つの段落に複数の論点が混ざっている場合は、論点ごとに段落を分け、内容を表す見出しを付けます。

難しい表現を言い換える

専門用語が必要な場合は削除するのではなく、初出時に短い定義を添えます。

長い修飾や抽象的な名詞が続く文は、行為者と動作が分かる短い文に直します。

見出し、要約、言葉の選び方を具体的に見直す場合は、読みにくい文章を整える実務手順も参考になります。

平易な要約を添える

本文そのものを簡単にできない場合は、先に結論が分かる要約を添えます。

要約には、本文の一部だけでなく、読者の判断に必要な要点を含めます。

<section aria-labelledby='plain-summary'>
  <h2 id='plain-summary'>簡単な要約</h2>
  <p>このシステムは、複数のデータをまとめて分析し、予測に役立てます。</p>
</section>

図表には文章による説明も用意する

手順や関係を図で示すと、文章だけでは追いにくい内容を整理できます。

ただし、図の内容は画像を見られない読者にも伝わるように、代替テキストや本文で説明します。

<p>処理は、データの収集、分析、結果の出力という順に進みます。</p>
<img src='process-diagram.png' alt='データの収集、分析、結果の出力という3段階を示す図'>

用語集または別版を用意する

同じ専門用語が繰り返し登場するページでは、用語集へのリンクが理解を助けます。

本文の構造を保ったままでは十分に読みやすくできない場合は、内容の対応関係が分かる読みやすい別版を用意します。

統計モデル:データの傾向を捉え、予測や判断に役立てるための数学的な仕組みです。

改善前と改善後の例

確認点 改善前 改善後
専門用語 多変量解析と機械学習アルゴリズムを組み合わせます。 複数のデータを分析します。分析方法の詳しい意味は、用語説明で確認できます。
結論の位置 背景説明が続いたあとに結論が出てきます。 最初に結論を示し、そのあとに理由と条件を説明します。
手順 複数の作業を一つの長い文で説明します。 作業を順番に分け、番号付きリストで示します。

言い換えでは情報を単純に削るのではなく、読者の判断に必要な意味を残します。

よくある失敗と見直し方

専門用語を別の抽象語に置き換える

難しい語を「最適化された結果」や「高度な処理」と言い換えても、具体的な意味は伝わりません。

何を入力し、何を行い、どのような結果に使うのかを普通の言葉で説明します。

補足をページの末尾にまとめる

説明が必要な箇所と補足が離れていると、読者は両方を行き来しなければなりません。

短い定義や要約は、対象となる語や段落の近くに置きます。

音声や動画を追加するだけで終える

難しい文章をそのまま読み上げるだけでは、説明の複雑さは残ります。

音声版や動画版を用意する場合も、要点の整理、用語の説明、順序の明確化を同時に行います。

公開前の確認方法

読解レベルは、機械的な判定だけに任せず、文章と補足内容を人が読んで確認します。

  1. 固有名詞と題名を除いた本文に、説明のない専門用語や複雑な文が残っていないか確認します。
  2. 結論、条件、手順が見出しや段落から追えるか確認します。
  3. 難しい本文を残す場合は、平易な要約、用語説明、図表などの補足があるか確認します。
  4. 読みやすい別版を用意した場合は、元の本文にある重要な情報が抜けていないか確認します。
  5. 図表を使った場合は、代替テキストまたは本文の説明で同じ要点を確認できるか見直します。

3.1.5 読解レベルの実装ポイント

  • 一つの段落では一つの論点を扱う。
  • 専門用語には短い定義を添える。
  • 結論や行動を先に示す。
  • 難しい本文には平易な要約、図表、用語説明を添える。
  • 必要に応じて、同じ内容を読みやすく書いた別版を用意する。
  • 公開前に人が読み、意味と情報量が保たれているか確認する。

3.1.5への対応は、文章を短くする作業ではなく、読者が必要な意味にたどり着けるように説明を設計する作業です。

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投稿者 greeden

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