オーサリングツールとは?ATAGとウェブアクセシビリティ対応の実務ポイント

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ウェブアクセシビリティを保つには、完成したページだけでなく、そのページを作る道具にも目を向ける必要があります。

オーサリングツールは、ウェブページや文書などのコンテンツを作成し、編集するためのソフトウェアやサービスです。

ツールの操作が難しかったり、見出しや代替テキストの設定を見落としやすかったりすると、制作者の注意だけでは不備を防ぎきれません。

反対に、操作しやすい画面、入力を促す案内、問題を知らせるチェック機能があれば、アクセシビリティを制作手順に組み込みやすくなります。

オーサリングツールとは

オーサリングツールには、ウェブページエディタ、ブログプラットフォーム、コンテンツ管理システム(CMS)、ワードプロセッサ、プレゼンテーション作成ソフトなどが含まれます。

プログラムを直接書かなくてもコンテンツを作れるため、開発者だけでなく、編集者や広報担当者なども日常的に利用します。

そのため、ツールの設計は、制作者の使いやすさと公開されるコンテンツの品質の両方に影響します。

アクセシビリティの観点では、次の三つを分けて確認すると役割を理解しやすくなります。

  • ツールを操作できるか:キーボードやスクリーンリーダーなどを使う制作者が、編集画面の機能を利用できるかを確認します。
  • アクセシブルな内容を作りやすいか:代替テキストの入力欄やフォームのラベル設定など、必要な作業を促す仕組みがあるかを確認します。
  • 公開前に問題を見つけやすいか:コントラストや読み上げ順序などを点検し、修正につなげられるかを確認します。

ATAGが示す二つの役割

ATAG(オーサリングツールアクセシビリティガイドライン)は、オーサリングツールのアクセシビリティを考えるための指針です。

ATAGの目的は、ツールそのものを利用しやすくすることと、アクセシブルなコンテンツの作成を支援することの二つに整理できます。

ATAGで整理される二つの役割
役割 対象 支援の例
ツール自体のアクセシビリティ コンテンツを作る人 キーボードだけでの操作、スクリーンリーダーで把握できる編集画面
コンテンツ作成の支援 作成して公開する内容 代替テキストの入力案内、コントラスト不足の警告、フォームのラベル設定を促す案内

この二つは関係していますが、同じものではありません。

ツールを支障なく操作できても、作成したページが自動的にアクセシブルになるわけではありません。

一方、優れたチェック機能があっても、編集画面そのものを操作できなければ、障害のある制作者は機能を十分に使えません。

代表的なツールと支援機能

オーサリングツールの種類によって、作るコンテンツと確認すべき項目は変わります。

機能の名称や提供範囲はバージョンや設定によって異なるため、導入時には現在の製品画面と説明を確認してください。

ツールごとの用途とアクセシビリティ支援の例
ツール 主な用途 確認したい支援
WordPress ウェブサイトやブログの管理 画像の代替テキスト設定、テーマやプラグインが作るナビゲーションのキーボード操作
Adobe Dreamweaver ウェブページのデザインとコーディング フォームのラベルや画像の代替テキストを設定するための案内
Microsoft PowerPoint プレゼンテーション資料の作成 アクセシビリティチェック、読み上げ順序、コントラストの確認

支援機能は、設定漏れを見つける助けになります。

ただし、警告が消えたことと、内容が利用者に正しく伝わることは別です。

たとえば、代替テキストの入力欄が埋まっていても、その文が画像の役割を説明していなければ、読み手に必要な情報は伝わりません。

制作時に確認したい四つのポイント

1.編集画面をキーボードで操作できるか

マウスを使わずに、メニュー、入力欄、保存や公開の操作へ移動できるかを確認します。

キーボードで操作する順序が画面の流れと合っているか、現在位置が分かるかも確かめます。

2.編集画面の情報が読み上げで伝わるか

スクリーンリーダーの仕組みと確認ポイントを理解したうえで、ボタン名、入力欄の目的、エラーの内容が読み上げで分かるかを確認します。

画面を見れば分かる色や位置だけに頼った案内は、読み上げでは意図が伝わらないことがあります。

3.必要な情報を入力するよう促してくれるか

画像を追加するときに代替テキストの入力欄が見つけやすいか、フォームを作るときにラベル設定を促すかを確認します。

画像の代替テキストの考え方も制作ルールとして共有しておくと、入力欄を埋めるだけの対応を避けやすくなります。

4.公開前の確認を制作手順に組み込めるか

コントラスト、キーボード操作、読み上げ順序などを、公開前に確認できる流れを整えます。

ツールの自動チェックで見つかる問題を直したうえで、実際の操作や読み上げでも確かめると、機械的な検査だけでは分かりにくい問題を見つけやすくなります。

支援機能を制作手順に組み込む

オーサリングツールを選ぶときは、機能の数だけでなく、制作者が操作できるか、必要な設定を促せるか、公開前に確認できるかを順に見ます。

導入後も、テーマやテンプレートを変更したとき、新しい種類のコンテンツを扱うときには、同じ確認を繰り返します。

ツールは制作者の判断を置き換えるものではありませんが、見落としを減らし、アクセシビリティ対応を日常の作業に定着させる支えになります。


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投稿者 greeden

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