大分県でシステム開発会社を選ぶときは、会社名の知名度よりも、依頼したい業務と各社の対応領域が合っているかを確かめる必要があります。
同じ『システム開発』でも、基幹業務、製造現場、モビリティ、クラウド基盤では、必要な経験と運用体制が異なるためです。
この記事では、大分県内に拠点を持つ5社の公式情報を比較し、候補の絞り方からRFP、見積、契約、補助制度の確認までを発注の順に整理します。
先に確認したいこと:以下は順位表ではありません。公開情報から相談領域を整理した比較です。最新のサービス、担当体制、実績の適合性は、各社への問い合わせと提案内容で確認してください。
大分県で相談できるシステム開発会社5社
2026年9月1日に各社の公式サイトで確認できた事業内容をもとに、相談先を選ぶための違いをまとめました。
| 会社 | 公式サイトで確認できる主な領域 | 相談を検討しやすい案件 |
|---|---|---|
| 株式会社オーイーシー | 開発と技術支援、インフラと基盤提供、業務支援と運用代行。公共、医療、観光、金融、AIとIoTなどの分野を掲げています。 | 業務システムと基盤、運用を分断せずに相談したい案件 |
| 大分シーイーシー株式会社 | Microsoft関連サービス、ソフトウェア受託開発、IT支援、データセンターサービス。大分市と杵築市に拠点があります。 | 業務システムの受託開発、Microsoft製品の活用、運用基盤を含む案件 |
| 株式会社ザイナス | システム開発、テクニカルサポート、製品とサービス、人材開発と研修。企画から導入後の支援までを案内しています。 | 個別業務に合わせた開発や、導入後の支援まで相談したい案件 |
| 株式会社ATTS | ネットワークとソフトウェアの企画、設計、開発、保守に加え、システムエンジニアリング、技術者派遣、コンサルティング。製造業向けの公開実績があります。 | 製造、倉庫、在庫管理、RFID、業務自動化に関係する案件 |
| モバイルクリエイト株式会社 | 移動体通信、GPSを使った移動体管理、業務用IP無線、タクシー配車、運行管理、電子決済などを展開しています。 | 交通、物流、動態管理、現場通信、決済を組み合わせる案件 |
候補を選ぶ際は、業界名が一致するかだけで判断しません。扱うデータ、止められない時間帯、既存システムとの連携、導入後の保守まで似た条件の経験があるかを確認します。
発注前に課題と成果を一枚にまとめる
会社へ連絡する前に、現状の課題と目標を一枚にまとめると、各社の提案を同じ条件で比べやすくなります。
KPIは、導入後の変化を確認するための業務指標です。『在庫管理を便利にする』ではなく、現在どの作業に時間やミスが生じており、導入後に何を測るかまで決めます。
MVPは、効果を確かめるために必要な最小限の機能構成です。最初から全社の業務を置き換えるのではなく、対象部署や業務を限定し、効果と運用上の問題を確認してから範囲を広げます。
| 整理する項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 現状 | 誰が、どの作業で、何に困っているか。件数、時間、ミスなど、現在測れる値も添えます。 |
| 目標 | 導入後に改善したい業務指標と、確認する時期を決めます。 |
| 対象範囲 | 今回含める部署、機能、データと、今回は含めない範囲を分けます。 |
| 利用条件 | 利用者数、端末、拠点、繁忙時間、通信環境、権限を整理します。 |
| 外部連携 | 会計、決済、在庫、予約など、データを受け渡す既存システムを挙げます。 |
| 運用条件 | 問い合わせ窓口、監視、バックアップ、障害時の連絡と復旧目標を決めます。 |
スマートフォンアプリが対象なら、iOSアプリ開発の要件定義と設計で確認したい項目も参考になります。
RFPで提案条件をそろえる
RFP(提案依頼書)は、発注側の課題と条件を候補会社へ伝え、提案を依頼する文書です。完成した仕様書である必要はありません。未決事項を未決のまま示し、提案してほしい範囲を明記することが大切です。
簡易RFPに入れる項目
- 背景と現在の業務課題
- 目的とKPI
- 利用者、対象業務、対象外の範囲
- 必要な機能と優先順位
- 既存システム、外部連携、移行するデータ
- 性能、可用性、セキュリティ、ログ、バックアップなどの非機能要件
- 発注側と受注側の役割分担、意思決定者、定例会の方法
- 希望時期と予算の考え方
- 提案書に求める見積内訳、体制、工程、前提、除外事項、リスク
- 選定基準と質問の受付方法
候補会社には同じRFPを渡し、質問への回答も可能な範囲で共有します。会社ごとに前提が異なる状態では、金額の大小を正しく比較できません。
見積は総額より前提と除外事項を比べる
システム開発費は、画面数だけでは決まりません。データ移行、外部連携、権限、テスト、教育、クラウド利用料、保守範囲によって工数が変わるため、案件種別だけで固定の相場を示すと判断を誤ります。
| 比較項目 | 確認する質問 |
|---|---|
| 要件と設計 | 要件整理、画面、データ、外部連携、セキュリティ設計はどこまで含まれるか。 |
| 実装とテスト | 単体、結合、総合、受入支援のうち、誰が何を担当するか。 |
| 移行と教育 | データ整形、移行リハーサル、操作手順、利用者教育は含まれるか。 |
| 外部費用 | クラウド、SaaS、ライセンス、決済手数料など、開発費以外に何が継続して発生するか。 |
| 保守 | 受付時間、対象範囲、一次回答、復旧目標、小規模改修の扱いはどうなるか。 |
| 変更 | 仕様変更の見積、承認、納期変更をどの手順で決めるか。 |
安い見積が適切とは限りません。必要な工程が除外されていれば、開発途中や運用開始後に追加費用として現れます。見積書には、工数の根拠、前提、対象外、発注側の作業を明記してもらいます。
準委任と請負は成果物の確定度で検討する
『要件定義は準委任、本開発は請負』という分け方は一つの例ですが、すべての案件に当てはまる決まりではありません。経済産業省の情報システムのモデル取引と契約書も、成果物について当事者間の共通理解が事前に成立しているかなど、個別の状況に応じた検討を求めています。
| 契約類型 | 検討しやすい状況 | 契約前の確認事項 |
|---|---|---|
| 準委任 | 調査や要件整理など、開始時点で作業結果を具体的に確定しにくい場合 | 業務範囲、担当者、稼働の記録、報告物、意思決定、終了条件 |
| 請負 | 完成させる仕事と受入条件について、双方が具体的に合意できる場合 | 成果物、仕様、納期、検収方法、修正、変更管理、知的財産、再委託 |
人員支援も比較対象に含む場合は、SESの役割と契約上の注意点を確認し、受託開発との違いを整理してください。
契約名だけで責任範囲は確定しません。成果物、検収、変更、データ管理、再委託、障害対応の条項まで確認し、重要な契約は法務担当者や専門家の確認を受けます。
大分県と国の補助制度を確認する
補助制度は年度や公募回によって、対象者、対象経費、申請時期、着手できる時期が変わります。2026年9月1日時点で確認できる公式窓口は次のとおりです。
| 公式情報 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 大分県の中小企業向けDX総合支援窓口 | 県内中小企業と小規模事業者を対象に、課題整理や計画、ロードマップ策定の支援を案内しています。 |
| 大分県中小企業等デジタルツール導入補助金 | DX総合支援窓口とコンサルタントの支援の中で利用する制度です。補助金だけを単独で申請できない点を先に確認します。 |
| 大分県省力化・生産性向上支援補助金 | 国の省力化投資補助金やデジタル化・AI導入補助金に関係する県の支援条件を確認できます。 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 対象となるITツール、申請枠、公募要領、スケジュールを公式ポータルで確認します。 |
| 中小企業省力化投資補助金 | カタログ注文型と一般型の違い、公募回、申請要件を確認します。個別の現場に合わせた設備やシステムは一般型の対象範囲を確かめます。 |
補助金を前提に仕様を決めると、採択されなかったときに計画が止まります。まず補助金がなくても必要な範囲を決め、そのうえで申請対象、自己負担、入金時期を資金計画へ反映します。
契約、発注、支払いを始めてよい時期は制度ごとに異なります。見積を取る段階で公募要領を読み、申請窓口へ確認してから着手してください。
候補会社を比べる5つの軸
- 類似条件の経験:同じ業界かだけでなく、利用者数、連携先、データの機密性、停止できる時間が近い案件を確認します。
- 進行方法:課題、決定事項、未決事項、変更要求を誰がどこへ記録し、誰が承認するかを確認します。
- 見積の透明性:工数、前提、対象外、外部費用、発注側の作業が分かれているかを比べます。
- 品質とセキュリティ:認証の有無だけでなく、レビュー、テスト、権限、ログ、バックアップ、脆弱性対応が今回の案件でどう運用されるかを聞きます。
- 運用保守:窓口、監視、障害時の連絡、復旧目標、担当者交代、改善提案の方法を確認します。
初回面談で確認したい質問
- 今回と制約が近い案件では、どの課題をどう整理しましたか。
- SaaSの設定で済む範囲と、個別開発が必要な範囲をどう見分けますか。
- MVPに残す機能と後回しにする機能を、どの基準で提案しますか。
- 見積の前提が変わったとき、費用と納期をどう再合意しますか。
- テストと受入テストは、発注側と受注側でどう分担しますか。
- 個人情報や機密データへ、誰がどの環境からアクセスしますか。
- 本番障害の受付、一次回答、復旧、事後報告はどの体制で行いますか。
- 担当者が交代した場合、設計判断と運用知識をどう引き継ぎますか。
相談から発注までの進め方
- 現状、課題、KPI、対象外を一枚にまとめます。
- 対応領域が合う会社を二、三社に絞り、同じ簡易RFPを渡します。
- 各社の質問と回答を整理し、前提条件をそろえます。
- 提案を機能、体制、工程、費用、運用、リスクで比較します。
- 優先候補と要件の未決事項を確認し、必要なら短い調査工程を設けます。
- 契約類型、成果物、検収、変更管理、保守条件を合意してから着手します。
比較表には点数だけでなく、判断の根拠と未確認事項も残します。評価が近い会社同士でも、未確認事項の重さが違えば、発注後のリスクは同じではありません。
大分県のシステム開発会社からの掲載依頼
大分県内でシステム開発を提供し、本記事への掲載を希望する事業者は、掲載依頼の受付フォームから会社名、所在地、事業内容、公開できる実績、得意技術、認証、連絡先、情報の更新日をお知らせください。編集部が公式資料を確認します。
発注の成否は比較前の準備で変わる
大分県には、業務システム、クラウド基盤、製造、モビリティなど、異なる領域を扱う会社があります。最初に課題と対象範囲を整理し、同じRFPで提案を依頼すれば、会社名や総額だけに頼らず比較できます。
発注前に確認するのは、作る機能だけではありません。データ移行、セキュリティ、受入、変更、保守まで合意しておくことが、導入後に使い続けられるシステムにつながります。
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