システム開発入門の第24週は、次回の実習に備え、生成AIの仕組み、プロンプトの作り方、安全に使うためのルールを学ぶ準備回でした。
便利な出力を得る方法だけでなく、誤りや偏りを見落とさず、利用者が確認する必要があることまで整理しました。
生成AIを使う前に知っておきたい基本
生成AIとは、入力された指示をもとに、テキスト、画像、音声などを作る仕組みの総称です。
文章を作る仕組みと画像を作る仕組みでは扱う内容が異なりますが、過去のデータから学んだ内容に偏りが含まれる可能性や、出力が常に正しいとは限らない点は共通する注意事項です。
| 用語 | 授業での意味 | 使うときの注意 |
|---|---|---|
| 生成AI | テキスト、画像、音声などを作る仕組みの総称 | 出力をそのまま正解とみなさない |
| 学習データ | 仕組みが学ぶもとになった過去のデータ | データに含まれる偏りが出力へ表れることがある |
| プロンプト | 生成AIへ渡す質問や指示 | 目的、条件、出力形式を具体的にする |
| 検証 | 出力に含まれる事実を別の情報源で確かめる作業 | 事実とアイデアを分けて確認する |
授業では、生成AIを「巨大な文章の倉庫」にたとえ、常に正しいとは限らないことを学びました。
この比喩は仕組みをイメージする入口になりますが、必要な情報を正確に取り出す仕組みだという意味ではありません。
生成された文章は一次情報ではないため、正しさが必要な箇所は別の情報源で確かめます。
プロンプトを具体的にする三つの要素
プロンプト設計は、生成AIへ何を求めるのかを、読み違えにくい形で伝える作業です。
授業では「誰に向けた回答か」「どのような条件があるか」「どの形式で答えてほしいか」の三つを明確にしました。
改善前の例
旅行について教えて
この指示では、旅行する人、地域、日程、予算、求める回答の形が決まっていません。
改善後の例
高校生が週末に日帰りで行ける関東近郊の自然スポットを、電車での行きやすさと2,000円以内の予算を考慮して3つ、簡潔な箇条書きで教えてください。
改善後の例には、対象、日程、地域、移動手段、予算、件数、出力形式が含まれているため、目的に合う回答を求めやすくなります。
ただし、具体的なプロンプトを書いても、回答の正確性が保証されるわけではありません。
「読みやすい回答を得る工夫」と「内容が正しいか確かめる作業」は分けて考えます。
班で取り組んだプロンプト演習
班ごとの演習では、短い課題に条件を加え、回答の用途が伝わるプロンプトを作りました。
- 短時間で作れるお弁当メニューを、材料三つ以内という条件で考える
- 授業で使うクイズを、正答と解説を付けて三問作る
- 高校生向けの読書感想文の下書き案を、400字以内で作る
プロンプトを組み立てるときは、次の型に当てはめると不足している条件を見つけやすくなります。
対象:誰が読む、または使うのか
目的:何に使う回答なのか
条件:範囲、数量、長さなどの制約
出力形式:箇条書き、表、文章など
各班は「誰に」「何を」「どのような形式で」答えてほしいのかを確認し、作ったプロンプトをクラスで共有しました。
出力を確認する手順
生成AIの出力は完成品として受け取らず、下書きや検討材料として確認します。
- 事実と提案を分ける:地名、数値、制度など、正しさを確かめる必要がある箇所を見つけます。
- 別の情報源で確かめる:生成された文章そのものではなく、信頼できる情報源に当たります。
- 目的に合う形へ直す:不足、曖昧さ、読みにくさを利用者が修正します。
この順序を守ると、文章が自然であることと、内容が正しいことを混同せずに済みます。
安全に使うためのルール
授業後半では、便利さより先に確認すべき利用ルールを整理しました。
- 入力する情報:氏名、連絡先、APIキーなど、他人に知られてはいけない情報を含めません。
- 著作権:特定の作品や文章をそのまま使わず、利用してよい範囲を確認します。
- 学校とサービスの規則:課題での利用方法は学校の方針に従い、利用するサービスの規約も確認します。
- 利用の明示:課題などで明示が求められている場合は、生成AIを使った範囲を記録して伝えます。
- 最終確認:出力の採用と提出については、利用者が責任を持って判断します。
組織で利用範囲や確認責任を決める場合は、関連記事の生成AI導入で最初に決めるべき運用ルールも参考になります。
宿題と次回の実習
次回の実習に向け、次の三つが宿題になりました。
- 授業で学んだ型を使い、自由なテーマで改善したプロンプトを一つ書く
- そのプロンプトで期待する出力例を50〜100字で書く
- プロンプトを作るときに注意した点を三つ以内の箇条書きで説明する
次回は校内のルールに従った環境でプロンプトを実行し、出力の検証と形式の調整を行います。
実習の内容は、第25週の生成AIハンズオン授業レポートへ続きます。
第24週で学んだのは、良い指示を書く技術だけではありません。
入力する情報を選び、出力を検証し、最後は人が判断するところまでが、生成AIを使う一連の作業です。
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生成AIは、指示の工夫だけでなく、出力確認と情報管理を組み合わせて初めて安全に活用できます。株式会社greedenは、現場の理解と定着を支える生成AI勉強会の相談に対応しています。

