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WCAG 2.2 達成基準1.4.7「背景音の小さい又はない音声」レベルAAAを解説

silver dynamic microphone on black microphone stand

Photo by Dmitry Demidov on Pexels.com

Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.2の達成基準1.4.7「背景音の小さい又はない音声」は、収録済みの音声だけのコンテンツに含まれる発話を、背景音から聞き分けやすくするための基準です。

対象となるコンテンツは限られていますが、該当する場合は、背景音をなくす、利用者が背景音を消せるようにする、前景の発話と背景音の差を20 dB以上にする、という三つの方法から少なくとも一つを選びます。

制作時には、単に「聞きやすい」と判断するだけでは足りません。対象範囲を確認し、採用した方法に応じて音量差や操作方法を検証する必要があります。

達成基準1.4.7が対象とする音声

音声だけのコンテンツとは、映像や操作を含まず、音声だけで構成される時間ベースの提示です。達成基準1.4.7は、その中でも前景に主として発話を含む収録済みコンテンツを対象とします。

達成基準1.4.7の対象判定
確認項目 判定の目安
収録済みか ライブ配信ではなく、事前に収録された音声である
音声だけか 映像を伴わず、音声だけで内容を提示している
発話が中心か 前景にあるナレーションや会話が主な内容である
除外対象ではないか 音声CAPTCHA、音声ロゴ、歌やラップなど主として音楽表現を意図した発声ではない

たとえば、ナレーションを収録した音声ガイドや、発話が中心の音声番組は対象になり得ます。一方、映像付きの動画やライブ音声は、この達成基準の「収録済みの音声だけ」という対象範囲には含まれません。

三つの達成方法

対象となる音声は、次のいずれか一つを満たします。背景音が内容に必要なければ、最初から入れない方法が最も単純です。背景音を残す必要がある場合は、消音機能または20 dBの音量差を選びます。

達成方法と制作上の対応
達成方法 要件 制作上の対応
背景音なし 音声に背景音を含めない 静かな環境で収録し、不要なBGMや環境音を加えない
消音 利用者が背景音を消せる 発話だけを聞ける選択肢を、分かりやすい名称で提供する
20 dB 背景音を前景の発話より少なくとも20 dB低くする 発話と背景音を分けて調整し、同じ基準で測定する

20 dBの要件には、1~2秒しか続かない不定期の音について例外があります。短い音であっても繰り返し鳴る場合や、長く続く場合まで例外として扱うものではありません。

20 dBは二つの音の差を表す

ここで確認するのは、再生時の絶対的な音量ではなく、前景の発話と背景音の相対的な差です。したがって、「発話を80 dB、背景音を60 dBにする」と一律に決めるのではなく、同じ測定方法で両方を測り、その差が20 dB以上あることを確認します。

前景と背景を一緒に上げ下げしても、二つの音量差は変わりません。W3Cの注記では、要件を満たす背景音の大きさは、前景の発話のおよそ4分の1になると説明されています。

音声制作と実装の手順

  1. 対象を判定する:収録済みか、音声だけか、発話が中心か、除外対象ではないかを確認します。
  2. 音源を分けて用意する:ナレーションとBGMなどを別のトラックにすると、背景音だけを調整しやすくなります。
  3. 達成方法を選ぶ:背景音なし、消音、20 dBのうち、コンテンツの意図を保てる方法を決めます。
  4. 編集して測定する:音声編集ソフトのメーターや解析機能を使い、発話と背景音が重なる箇所を同じ方法で測ります。
  5. 公開後の操作を確認する:消音機能を採用した場合は、キーボードでも操作でき、現在の状態が名称から分かり、切り替えても再生位置を見失わないことを確認します。

ノイズ除去や発話の増幅を行った場合も、それだけで達成したとは判断できません。編集後のファイルを改めて測定し、選んだ方法の要件を満たしているか確認します。

公開前の確認表

達成基準1.4.7の確認項目
確認項目 確認内容
対象範囲 収録済みの音声だけのコンテンツで、発話が中心である
除外条件 音声CAPTCHA、音声ロゴ、主として音楽表現を意図した発声ではない
達成方法 背景音なし、消音、20 dBのうち、少なくとも一つを満たす
音量差 20 dBを選んだ場合、発話と背景音を同じ方法で測定している
短い音 例外にする音が不定期で、1~2秒しか続かない
操作性 消音機能を選んだ場合、操作方法と現在の状態を利用者が判別できる
最終確認 書き出した公開用ファイルと実際のプレイヤーで確認している

誤解しやすい実装

全体の音量を上げるだけで済ませる

発話と背景音を同時に大きくしても、両者の差は広がりません。発話と背景音を別々に調整し、20 dBの差を確認します。

ノイズ除去を達成条件とみなす

ノイズ除去は背景音を小さくするための編集手段です。ただし、処理後に背景音が残っている場合は、消音または20 dBの要件を満たしているか別途確認します。

背景音を消す操作が分かりにくい

アイコンだけのボタンや状態の分からない切り替えは、利用者が目的を判断しにくくなります。「背景音を消す」「背景音を戻す」のように、操作後の結果が分かる名称を使います。

短い音をすべて例外にする

例外は、1~2秒しか続かず、不定期に鳴る音に限られます。短いBGMや効果音が頻繁に繰り返される場合は、通常の背景音として扱って確認します。

聞き取りやすさにつながる理由

発話と背景音を聞き分けることが難しい利用者にとって、背景音を抑えることは内容を理解する助けになります。副次的には、周囲に雑音がある場所や小さなスピーカーで再生する場面でも、発話を追いやすくなります。

字幕、文字起こし、音声解説、プレイヤーの操作性など、音声以外の配慮については、音声と動画コンテンツのアクセシビリティ実践ガイドも参考になります。

制作時に押さえる三つの点

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参考資料

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