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WCAGとADAの違いとは?Webアクセシビリティの実務対応を解説

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デジタルアクセシビリティとは、障害の有無や利用環境にかかわらず、Webサイトやデジタルサービスの情報と機能を利用できるようにする考え方です。

この取り組みで混同されやすいのがWCAGとADAです。
WCAGはWebコンテンツを設計、実装、評価するための技術的な指針であり、ADAは米国で障害を理由とする差別を禁じる法律です。

両者は役割が異なります。
WCAGに沿って改善することはADAへの対応を考えるうえで有用ですが、WCAGへの適合だけで個別案件の法的評価が自動的に決まるわけではありません。

WCAGとADAの違いを比較

WCAGとADAの主な違い
比較項目 WCAG ADA
位置づけ Webアクセシビリティの技術的なガイドライン 障害者差別を禁じる米国の法律
主な役割 何をどのように確認するかを達成基準として示す 対象となるサービスなどに平等な利用機会を求める
対象範囲 Webコンテンツの設計、実装、評価 デジタル分野に限らず、対象となる施設やサービス
実務での使い方 要件定義、デザインレビュー、実装、試験の共通基準にする 組織やサービスに適用される義務を確認し、対応方針を決める
確認の担い手 企画、デザイン、開発、品質保証などの各担当者 事業責任者に加え、必要に応じて法務や専門家

短く言えば、WCAGは「アクセシブルに作り、確かめる方法」を整理し、ADAは「誰にどのような利用機会を保障するか」という法的責任に関わります。

WCAGはWeb制作の技術的な共通基準

WCAGは「Web Content Accessibility Guidelines」の略称です。
W3CのWebアクセシビリティに関する活動の中で策定され、国や組織を越えて参照されています。

WCAGは、達成したい状態を四つの原則に分けています。

たとえば、画像に目的に合った代替テキストを付ける、見出しを内容の階層に合わせる、フォームの入力欄にラベルを関連付ける、といった改善を評価できます。
WCAGの版や適合レベルは、対象サービス、契約、適用される制度を確認したうえでプロジェクト要件に明記します。

版ごとの違いを確認したい場合は、サイト内のWCAG 2.2の概要と実務上の考え方も参照してください。

ADAは米国の法的な枠組み

ADAは「Americans with Disabilities Act」の略称で、日本語では一般に「アメリカ障害者法」と呼ばれます。
1990年に制定され、障害のある人に対する差別を禁じ、対象となる場面で平等な機会を確保するための法律です。

ADAはWebサイトだけを対象にした技術標準ではありません。
州や地方政府のサービス、一般の人に商品やサービスを提供する事業者など、組織とサービスの性質に応じてデジタル上の情報や機能も検討対象になります。

ただし、ADAの適用範囲や必要な対応を、すべてのWebサイトに一律のチェックリストとして当てはめることはできません。
事業地域、組織の性質、提供するサービス、契約上の要件を整理し、法的判断が必要な場合は米国法に詳しい専門家へ確認します。

両者が重なるのは利用上の障壁を減らす場面

WCAGとADAは同じものではありませんが、障害のある人が情報やサービスを利用できるようにする点で重なります。
実務では、法的な責任を確認しながら、WCAGを設計と試験の具体的な基準として使うと役割を整理しやすくなります。

購入フォームを例にした考え方

オンラインの購入フォームを考えてみます。
WCAGに沿った確認では、入力欄のラベル、キーボード操作、エラー内容の伝え方、読みやすい配色などを個別に点検します。

ADAへの対応では、そのフォームを含む商品やサービスを障害のある人も利用できるかという法的責任を検討します。
技術上の達成基準と法的な評価を分けて考えると、担当者同士の認識がずれにくくなります。

設計から運用までの実践手順

Webアクセシビリティは、公開直前の検査だけでは整えにくい領域です。
発注、設計、実装、運用にアクセシビリティを組み込む方法を決め、次の順序で進めます。

1.対象と責任範囲を決める

対象となる国や地域、Webサイト、アプリケーション、外部サービス、主要な利用経路を一覧にします。
そのうえで、適用される法令、契約、社内方針を確認し、判断の担当者を決めます。

2.技術要件を文書にする

採用するWCAGの版と適合レベルを決め、企画書、デザイン仕様、開発の完了条件、試験項目に反映します。
「できるだけ配慮する」のような曖昧な指示では、担当者ごとに判断が分かれるためです。

3.設計と実装で障壁を作り込まない

スクリーンリーダーの仕組みと実装時の確認点を知ると、見た目だけでは発見しにくい問題を理解しやすくなります。

4.複数の方法で試験する

axeやWAVEなどの自動チェックは、一定の問題を効率よく見つけるために使えます。
ただし、エラーが表示されないことだけでは、利用者が実際の操作を完了できるかまでは判断できません。

自動チェックに加え、キーボードだけでの操作、拡大表示、読み上げ環境での確認、主要な利用経路の手動試験を組み合わせます。
可能であれば、障害のある利用者による評価を改善に反映します。

5.修正の優先順位を決める

ログイン、購入、予約、問い合わせなど、利用者が目的を達成するために欠かせない経路から確認します。
利用できない状態を生む問題を先に直し、その後に理解しにくさや操作の負担を減らします。

6.公開後も確認を続ける

コンテンツ追加、デザイン変更、機能改修によって、新しい障壁が生まれることがあります。
更新時のチェック項目、問題の受付窓口、再試験の時期、修正担当を決め、改善を運用に組み込みます。

チーム内の役割分担

一人の担当者だけに任せると、企画、設計、実装、運用の境目で要件が抜けやすくなります。
各工程の完了条件にアクセシビリティを含めることで、後からまとめて修正する負担を抑えられます。

誤解しやすい三つの点

WCAGとADAを役割で使い分ける

WCAGはWebコンテンツをアクセシブルに設計し、評価するための技術的な共通基準です。
ADAは米国での平等な利用機会と法的責任に関わるため、組織やサービスごとに適用範囲を確認します。

実務では、法令と契約の確認、WCAGに基づく要件定義、複数の方法による試験、公開後の改善を一つの流れにします。
この流れを設計、開発、品質保証、運用の各担当者が共有することで、利用上の障壁を継続的に減らせます。

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導入方法や機能の詳細は、サービスページでご確認ください。

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