Webアクセシビリティでは、文字が見えることや操作できることに加えて、書かれた内容を理解しやすく整える必要があります。
ここで改善するのは、読者個人の「読解力」ではなく、コンテンツ側の読みやすさと分かりやすさです。
難しい言葉を言い換え、情報の順序を整え、見出しやリストで関係を示すと、読者は必要な情報を探しやすくなります。
最初に確認したい二つの読みやすさ
文章の分かりやすさは、言葉の選び方、文の長さ、説明の順序によって決まります。
視認性は、文字の大きさ、文字色と背景色のコントラスト、余白など、見た目に関わる読みやすさです。
両方を整える必要がありますが、役割は同じではありません。
| 確認する対象 | 主な改善点 | 確認の問い |
|---|---|---|
| 文章の分かりやすさ | 言葉、文、見出し、情報の順序 | 読者が意味と次の行動を理解できるか |
| 視認性 | 文字の大きさ、コントラスト、余白 | 文字や情報の区切りを見分けやすいか |
分かりやすい文章が役立つ読者
文章を平易に整えることは、次のような読者の理解を助けます。
- 高齢者や子ども:複雑な言い回しを減らすと、内容を追いやすくなります。
- 日本語を母語としない人:一般的な言葉を使い、文の構造を単純にすると、意味を捉えやすくなります。
- 認知障害のある人:一文の役割を絞り、情報をまとまりごとに分けると、内容を整理しやすくなります。
特定の読者だけを想定するのではなく、ページを初めて訪れる人にも伝わるかを基準にすると、編集方針を決めやすくなります。
伝わる文章に直す手順
ページの目的と結論を先に示す
最初の段落で、何について説明するページなのか、読者に何をしてほしいのかを示します。
会員登録が必要なサービスなら、操作手順より前に「このサービスの利用には会員登録が必要です」と書きます。
難しい言葉を具体的な表現に置き換える
専門用語や抽象的な言い回しは、意味を保ったまま一般的な言葉に置き換えます。
- 「イニシアチブを取る」から「率先して行う」へ言い換える
- 「適切な判断が求められる」から、判断する対象と条件を具体的に書く
短くすることだけが目的ではありません。
「誰が」「何をするか」「どの条件で必要か」が分かる表現を選びます。
専門用語と略語はその場で説明する
避けられない専門用語や略語は、最初に使う箇所で意味を添えます。
たとえば、「初回訪問者」と書くだけでなく、「このサイトを初めて利用する人」と続ければ、読者は別の場所を参照せずに理解できます。
用語の説明方法を詳しく確認したい場合は、専門用語や略語を分かりやすく伝える方法も参考になります。
一文には一つの役割を持たせる
条件、操作、注意点を一文に詰め込むと、読者は手順を見失いやすくなります。
複数の操作が続く場合は、文を分けるか、番号付きリストにします。
たとえば、登録手順は次のように整理できます。
- アカウント情報を入力します。
- 届いたメールを開き、メールアドレスを確認します。
- ログインして利用を始めます。
見出しとリストで情報の関係を示す
見出しには、その節で扱う内容が分かる具体的な言葉を使います。
順番がある操作には番号付きリストを使い、順番のない選択肢や特徴には箇条書きを使います。
長い文章を機械的に分割するのではなく、情報の関係に合う形を選ぶことが大切です。
重要な条件を文章と位置で伝える
重要な情報は、関連する操作より前に置きます。
必要に応じて太字を使えますが、強調を増やしすぎると優先順位が分かりにくくなります。
色の違いだけに意味を持たせず、「必須」「エラー」「期限」などの言葉でも内容を伝えます。
<p><strong>重要:</strong>このサービスの利用には会員登録が必要です。</p>
文章とは別に視認性を確認する
分かりやすい文章でも、文字が小さすぎたり、文字色と背景色の差が分かりにくかったりすると読みにくさが残ります。
文章を編集した後は、文字の大きさ、コントラスト、行間、段落間の余白も確認します。
配色を見直す際は、コントラスト比の意味と確認方法を確認してください。
対象となる読者に確認してもらう
編集者にとって自然な文章でも、初めて読む人には前提が不足している場合があります。
可能であれば、対象となる読者にページを使ってもらい、目的、利用条件、次に行う操作を説明できるか確認します。
理解しにくい箇所が見つかったら、読者の知識不足として扱わず、言葉、説明の順序、見出しのいずれに原因があるかを切り分けます。
公開前のチェックリスト
- 冒頭でページの目的と主な結論が分かる
- 専門用語と略語を初出箇所で説明している
- 一文に条件や操作を詰め込みすぎていない
- 見出しだけを読んでも情報の流れが分かる
- 手順には番号付きリストを使っている
- 重要な情報を色だけで区別していない
- 文章の分かりやすさと視認性を別々に確認した
- 対象となる読者の確認結果を反映した
文章と見た目を分けて見直す
読者に伝わるページを作るには、言葉の選び方、情報の順序、見出しによる構造化を先に整えます。
そのうえで、文字の大きさやコントラストを確認すると、文章と見た目の両面から読みやすさを改善できます。
当社では、Webアクセシビリティへの対応を支援するUUU ウェブアクセシビリティウィジェットツールを提供しています。
機能や導入方法は、サービスページでご確認ください。

