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障害者差別解消法とは?合理的配慮と事業者の義務をわかりやすく解説

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障害者差別解消法は、障害を理由とする差別をなくし、障害のある人もない人も共に暮らせる社会を目指す法律です。
行政機関等と事業者には、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止と、個々の状況に応じた合理的配慮の提供が求められます。

合理的配慮は、単なる親切や一律の特別扱いではありません。
障害のある人が直面している社会的なバリアを確認し、負担が重すぎない範囲で、必要な変更や調整を個別に検討することです。

障害者差別解消法の目的と背景

正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。
2013年に制定され、2016年4月に施行されました。

この法律は、日本が2007年に署名した障害者権利条約の考え方を踏まえ、国内で差別の解消を進めるために整備されました。
条約は、障害のある人の尊厳、自律、社会への参加、無差別などを基本的な考え方としています。

その後の法改正により、2024年4月1日から事業者による合理的配慮の提供も法的義務になりました。
現在の条文はe-Gov法令検索の障害者差別解消法、改正の要点は内閣府の改正障害者差別解消法の案内で確認できます。

法律が定める三つの取組

法律上の取組は、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」だけではありません。
個別の申出に対応しやすくするため、施設や情報提供の方法をあらかじめ整える「環境の整備」も定められています。

取組 行政機関等 事業者 内容
不当な差別的取扱いの禁止 禁止 禁止 障害だけを理由に、正当な理由なくサービスや機会を拒否、制限しない
合理的配慮の提供 義務 義務 個別の場面で申出を受け、過重な負担にならない範囲でバリアを取り除く
環境の整備 努力義務 努力義務 施設のバリアフリー化、情報アクセシビリティの向上、研修などを事前に進める

この区別は実務で役立ちます。
たとえば、建物への恒久的なスロープ設置やWebサイト全体の改善は主に「環境の整備」であり、来店した人の状況に合わせて安全な移動方法を用意する対応は「合理的配慮」になり得ます。

誰が法律の対象になるのか

対象となる障害のある人

対象は障害者手帳を持つ人だけではありません。
身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、そのほか心身の機能の障害があり、障害や社会的なバリアによって日常生活や社会生活に継続的な制限を受けている人が含まれます。

義務を負う行政機関等と事業者

国や地方公共団体などの行政機関等に加え、企業、店舗、学校、医療機関、個人事業主、非営利の活動を継続して行う団体なども事業者に含まれます。
教育、医療、福祉、交通、買い物、飲食など、日常の幅広い場面が関係します。

一方、雇用や就業の場面には、障害者雇用促進法の定めが適用されます。
一般の人が障害への理解を深めることは大切ですが、個人の気遣いと、行政機関等や事業者に課される法的義務は分けて考える必要があります。

不当な差別的取扱いとは

不当な差別的取扱いとは、障害があることだけを理由に、正当な理由なくサービスや機会を拒んだり、場所や時間などを制限したり、障害のない人には付けない条件を付けたりすることです。

たとえば、利用方法を検討せずに入店や施設利用を断ること、必要性を確認せずに介助者の同伴を利用条件にすることなどが考えられます。
ただし、ある対応が不当な差別に当たるかどうかは、安全性や事業への影響を含む具体的な状況に基づいて判断されます。

「前例がない」「特別扱いはできない」という説明だけで、正当な理由になるわけではありません。
対応が難しい場合も、理由を説明し、目的を満たせる別の方法がないかを話し合うことが必要です。

合理的配慮とは

合理的配慮とは、障害のある人から社会的なバリアを取り除くための対応を求められたときに、行政機関等や事業者が個別の状況に応じて行う変更や調整です。
事業やサービスの本質を変えず、過重な負担にならないことが条件になります。

同じ障害名でも、困っていることや適切な対応は人によって異なります。
障害の種類から対応を決めつけず、本人が何に困り、何を実現したいのかを確認する必要があります。

生じているバリア 対応例
印刷された文字を読むことが難しい 内容を読み上げる、読み上げや文字拡大ができる電子データを用意する
音声だけの案内を受け取りにくい 筆談、字幕、文字表示などで同じ情報を伝える
段差があり移動できない 安全を確認して携帯スロープを使う、利用できる別の経路を案内する
複雑な説明を一度に理解しにくい 短く具体的な言葉を使い、図や写真を示しながら手順を一つずつ説明する
Web上の手続を完了できない 利用できるファイル形式や別の受付方法を検討し、同じ手続の機会を確保する

これらは対応を考えるための例であり、どの場面でも同じ方法が正解になるわけではありません。
安全性、費用、事業規模、業務への影響などを具体的に確認し、本人と事業者が対話して実行可能な方法を探します。

申出を受けたときの進め方

  1. バリアを確認する
    どの場面で何が利用を妨げているのか、本人の言葉を聞きます。
  2. 目的を共有する
    希望された手段だけでなく、利用したいサービスや達成したい手続を確認します。
  3. 対応案を検討する
    希望どおりの対応が難しい場合も、代替手段を含めて実行可能な方法を探します。
  4. 理由と対応を伝える
    実施する内容を具体的に伝えます。対応できない場合は、負担となる事情を説明して対話を続けます。
  5. 次の改善につなげる
    繰り返し生じるバリアは、設備、Webサイト、手順、研修などの環境整備に反映します。

最初から「できる」「できない」の二択にすると、本人が必要とする結果を見失いやすくなります。
希望の背景を共有すると、負担を抑えながら目的を満たせる別の方法を見つけられることがあります。

Webアクセシビリティとの関係

Webアクセシビリティは、年齢や障害の有無、利用環境にかかわらず、Web上の情報や機能を利用しやすくする取組です。
読み上げソフトで内容を理解できる構造、キーボードだけでも操作できる画面、字幕や代替テキストなどをあらかじめ整えることは、情報面の環境整備につながります。

一方、特定の利用者から「この申請書を読み上げ可能な形式で受け取りたい」と申出があった場合は、個別の合理的配慮として検討する場面があります。
法改正とWeb対応の実務は合理的配慮の義務化とWebアクセシビリティの解説、改善の基本はWebアクセシビリティで最初に確認したい実務ポイントも参考になります。

当社では、Webサイトの利用しやすさを高める選択肢の一つとして、UUU ウェブアクセシビリティウィジェットツールを提供しています。
ツールの導入だけで、すべての利用上のバリアや個別の申出への対応が完了するわけではありません。
サイトの構造、コンテンツ、操作性を点検し、利用者の声を改善に反映する取組と組み合わせることが大切です。

相談先を確認しておく

障害を理由にサービスを断られた場合や、合理的配慮について相談先が分からない場合は、自治体や各府省庁の窓口に相談できます。
内閣府の障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」は、相談内容に応じて適切な窓口への取次を行っています。

個別の事案では、業種、地域の条例、具体的な事情によって確認すべき内容が変わります。
法的な判断が必要な場合は、所管官庁、自治体、法律の専門家に確認してください。

対話と事前の改善を積み重ねる

障害者差別解消法は、全員に同じ対応を機械的に当てはめる法律ではありません。
障害のある人が直面するバリアを具体的に捉え、本人と行政機関等や事業者が対話しながら、実行可能な対応を探すための枠組みです。

個別の合理的配慮を確実に行い、そこで分かった課題を環境整備へ反映することで、同じバリアに直面する人を減らせます。
設備、情報、接客、Webサイトを継続して見直すことが、誰もがサービスを利用しやすい環境につながります。

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